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執筆者の写真田原祐子

人を好きになる力、人に興味を持つ力

もともとは、“超”がつくほどの人見知り

仕事柄、私は毎日プロジェクトや打ち合わせなどで、たくさんの方にお会いしています。

本当にいろいろな方がいらっしゃって、お話を聞くのが毎回とても楽しみです。


しかし、私自身が、もともと今のようにアクティブにいろいろな人に会うのが好きだったかと聞かれると、答えはNOなのです。

昔は、人見知りだったこともあり、人に会うのがすごく苦手で、できるならば家でひっそりと過ごしている方が好きでした。

実は今も、どちらかというと、一人の方がホッと安心できる感覚は強く残っています。


ではなぜ、今、こうしてさまざまな人と交流するのを楽しめるようになったのかというと、

自分にはないものの見方を知ることができたり、自分とは違う価値観に出会い、毎回「へーぇっ!」という発見があるので、うれしくなるんですよね。

例えば、仕事に限らずペットの話ひとつにしても、蛇をペットとして共に過ごしている人の話を聞くと、私ならば逃げ出してしまいそうなのですが(笑)、「可愛い!」と言うのです。


「どのへんが?」とさらに質問すると、「ベロ(舌)!」とか「色!」とか「目!」とか、

その人にとっての可愛いポイントが次々出てきます。


このように「この人って、こんなところを見て、こんなふうに感じるんだ!」というのを見つけると、楽しくて仕方ないですし、その人のことをもっと知りたくなります。


いい景色を見て「わーぁ!」という感覚と、私が人に会った時に感じる「へーぇ!」は、同じくらいの感動です。

新たな価値の創造

また、ビジネスにおいても、「繋がり」を意識し始めたのは、

「コラボレーション」「アライアンス」「オープンイノベーション」という言葉が使われ始めた頃でしょうか?


前々回の弊社主催のカンファレンスでお話いただいた入江氏の言葉を借りるならば、

“既存の知と既存の知によって、イノベーションが起こる”のです。

そして、そのようにして生まれた“新たなもの”が持つ可能性は、無限大といっても過言ではありません。


わかりやすい例として挙げられるのは、Uberという新しいタクシーサービスです。

・お客さんを乗せて目的地まで送るという本来のタクシーの役割

・ドライバーの空き時間の有効活用

・アプリなどのIT活用

といったいろいろな要素を組み合わせて、アメリカで始まったサービスで、

現在、日本はもちろん、全国的に注目されています。


キャッシュレスで乗車できたり、目的地などのやりとりはすべてメールで事前に伝えられ、ドライバーの情報もあらかじめ知っておくことが可能です。お客さんの立場からすると、とても便利です。


しかし、それだけではなく、ドライバー(働く側)としても、自分の空いた時間を有効に使えますし、自分の車で収入を得られるというメリットもあります。


このように、何かの掛け合わせで新しいものが生まれ、多くの“既存の知”や“イノベーション”に実際に触れることで、自分の中にも新しい発送が生まれ続けます。さらにそれは、自分の新しい発見にもなるので、「繋がり」は、人としても、ビジネスとしても、これからさらに大切になってくるのではと思っています。

大切にしているのは「好奇心」

でも、これまでお伝えしたどれも、もとを辿っていくと、「好奇心」というところにたどり着くかもしれません。


私は、自分の中の「好奇心」を大切にしています。


好奇心には「好き」という字が入っていますが、これだけたくさんの人が生きている世の中で、自分が「好きだな」「面白いな」と思う人と出会えるのは奇跡です。


ある方に、「田原さんは、人を好きになる力や、人に興味を持つ力を持っているんですね」と言われたことがあるのですが、まさに、そういうことなのかもしれません。


自分とは違う価値観を持っている人、

自分にはとてもできそうにないことができる人、

自分の知らなかった世界を熱心に研究している人、

自分にはとても話せそうにない面白い話がたくさんできる人。

その人の持つ素敵なところに出会えると、心が躍りますし、自分の新たな活力にもなります。

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